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Twice Again

Author:Twice Again
えと、どうもTwiceAgainです。
始めましての方も、そうでない方もどうぞまったりゆったりしていってください。小説の毎日更新は出来ませんが、マイペースにやっていきたいと思います。僕の二次創作は暇つぶし程度にどうぞ。感想やご指摘は歓迎します。
では、どうぞごゆるりと……。


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6月6日 水曜日 雨

6月6日 水曜日 雨

 「上原が休みだって!?」
 「うん、そうみたいだよ」




 朝、学校に着いてクラスメイトに上原のことを聞くと、そんな返事が返ってきた。
 ……もしかすると。

 携帯を取り出し、上原に電話をかける。
 ……頼む、出てくれ……!

 「っち、くそ!」
 「えっと、どうしたの?」

 電話には、出なかった。 
 普通に風邪かもしれないが、昨日の夢に、声が聞こえた。
 変な、声が。

 「上原、もしかすると夢死病かもしれないんだ……」
 「えっ……!?」
 「けど、これ内密にしといてくれ、結城。同じ部活のよしみとして……頼む!」
 「わ、わかった……けど、上原が……」

 これだから、自分自身が嫌いになる。
 中途半端なんだ、全てが。
 相談を受けると言ったって、結局なにも出来やしない。
 無能もいいとこだ。
 だけど、俺には、夢死病をどうにかする力がある。

 だから。

 「結城! 俺、ちょっと上原んとこ行ってくる!」
 「ちょっと、もうホームルーム始まるよ!?」
 「今日は休みってことで!」

 かばんを担いで、廊下に出ようとする。
 そこへ、先生が入ってきていた。

 「はい、ホームルーム始めr……ってコラァ!!! 夢見!!」
 「便所っス!!」
 「便所ってアンタ……」

 >急ごう
 そっとしておこう
 どうでもいい




 「うおおい!!! 高町まで!!」
 「便所っス!!」
 「うそつけぇ! 大体高町! 女の子はそういうの、お腹がちょっと痛くなるぐらいまで我慢するもんだぞ!!」
 「痛いです! おしっこも何もかももれそうです!」
 「よぉし、じゃあもう行って来い!!!」

 なのは……。
 
 女の子がそれでは……
 >そっとしておこう
 どうでもいい
 
















 「まあ、戦力が多いことには越したことはないが……いくらなんでもあれはないぞ? みんなポカーンってしてたし」
 「一回言ってみたかったの!」
 「……ぶっちゃけすぎだろ」

 バイクの後ろになのはを乗せて道を走る。
 今思えば、俺は上原の家を知らなかった。なのはは知っているようだから、結局、俺は事情を知るなのはがいないと、何も出来ないでいたのだった。

 「そこの道は右だよ」
 「サンキュ」

 話を聞くに、上原家は代々続く武家関係の家らしい。
 武士と、あと忍者みたいな。
 表の顔は道場を経営し、健全な日本男子を鍛え。 
 裏の顔は暗殺の依頼や、要人警護などの危険な仕事を請けているらしい。

 なのはがそう言っていた。

 「お父さんとお兄ちゃんから聞いたの」
 「……あの2人なら、何か納得」

 時々、剣術指導してもらってるけど、何か人の動きじゃないし。
 所謂、『残像だ』。

 「ここが、上原とこか……」
 「うん、そうなの」

 立派な家だ。
 それに、かなりでかい。
 恐らくは、中に道場があるんだろう。

 「……どちら様でしょうか?」

 和服を着た、70代くらいの人が玄関から出てきた。
 どこか、上原と似ている。

 「上原の友人の夢見と、高町です。あの、上原は……」
 「喜助のご学友ですか……学校はどうしたのです? こんなところで油を売っていてよろしいのですか?」
 「上原が、今日休みなので、それが心配で……」
 「貴方達には関係ありません」
 「でも、何か力に……!」
 「お帰りなさい。貴方達は一体なんなのです? いきなり来られて、迷惑です。貴方達は早く学校で勉強に励みなさい」
 「上原は……夢死病なんですか?」
 「……! どこで、それを」
 「上原が、家の騒動のことで、悩んでました。だから、俺達は」
 「貴方達に何が出来るというのです? ここら一体の医者は誰一人として、原因を解明出来ず、更にはこの病気の特性上、口外することも禁じられている……こんな大きな問題を、たかだか15,6の若造が解決するなど、笑止千万です」
 「……夢死病を、治したことがある、と言ったら?」 

 「!」

 「ここにいる高町なのはは、5月に夢死病にかかった。そして、なのはの兄もほぼ同時期に夢死病にかかったが、今も健康に生活している。俺達は、夢死病の原因を知っている……だから、上原を助けに来たんだ!」
 「……中に入りなさい。少しだけ、話を聞いてさしあげましょう」
 「……ありがとうございます」

 俺達は中に入って行った。


















 「初めまして、私、喜助の母の雫、と申します。この度は喜助を心配して来てくださって、ありがとうございます」
 「夢見渚沙です。あの、顔を上げてください」
 「高町なのはです。そんな、礼を言われる立場じゃないの……」
 「いえ……貴方達が、仰った『夢死病を治せる』ということは、本当なの?」
 「はい、俺はなのはとその兄の2人を治しました。けど……」
 「けど?」
 「今から話すことは、到底信じられないし、そもそも信じなくて結構です。簡単に、触りだけを」

 招かれたのは、豪華な一室。
 そこにいるのは、上原の母の雫さん、先ほどのお婆さんである雫さんのお母さんの幸恵さん、そして、厳つい面持ちで座っている上原の爺さんの源五郎である。

 夢死病患者の夢と、その中に巣くう悪魔の存在を話した。
 どうやら、この家の人間は全員切羽詰っているようだ。すぐに上原の眠る寝室へと案内された。













 そこには1人の少女が、寂しく泣いていた。
 ベッドには上原が眠り、一羽の鷲だろうか? それが柱の部分に止まっていた。

 「君は……」
 「あ……貴方達が、喜助の友達の……私、下山美紀っていいます」
 「俺は夢見、夢見渚沙だ」
 「なのははなのはだよ。よろしくね、美紀ちゃん」
 「はい、よろしくおねがいします、なのはさん」

 上原が昨日眠りについたのは、4時ごろらしい。
 そう考えると、12時間以上、あの夢の世界にいる。
 そして――泣いている。

 なのはが苦しみ、泣いたように。
 上原も、きっと。
 自らの境遇を、嘆いている。
 願望を押し込めているのだろう。

 だからこそ、俺達は、その願望を受け入れ、そして、こっちの世界に帰ってこさせるのだ。

 「なのは、準備は出来たか?」
 「ばっちりなの!」
 「剣も盾も、向こうに置いてきたからな。少し探さないといけないな」
 「そうなの」

 「?」

 「あ、悪い下山。少しの間だけ、外に出ていてくれないか?」
 「あ、わかりました……」
 「……何か、この寝ぼすけに言いたいことはないか?」
 「……1つ、だけ……いいですか?」
 「ああ」

 「私は、喜助と一緒に居たい」

 「了解した。んじゃ行くぞ、なのは!」
 「合点なの!」

 下山が部屋から出るのを確認したあと、ポケットのエルダーサインを掴む。
 石の紋章が光り輝き、俺達の意識は飛んでいった……。

















 「なんじゃこりゃ?」
 「えと、忍者屋敷……なのかな?」

 上原の家と、よく似ている。
 中に入ると、鎧を装備した武士のシャドウが数体いた。

 「なのは、行くぞ! ペルソナッ!」
 「わかったの、ペルソナッ!」

 俺のノーデンスとなのはのハスター。
 先ずはノーデンスの槍で、敵シャドウを一刺し。
 続いて、なのはのハスターが風を巻き起こす。

 「ガルッ!」

 シャドウを吹き飛ばし、残すはあと2体。

 「おっと!」
 
 近づいてきたシャドウの攻撃を避ける。
 恭也さんの剣術指導のお陰で、少しばかりは避けられるようになった。
 
 「オラァ!」

 首の辺りに剣を斬りつける。
 甲高い音が鳴り響き、兜は飛んでいった。
 中には、不定形の黒い塊が入っていて、デュラハン状態なのにかかわらず、未だ動く。

 「危ない!」

 なのはの声が聞こえる。
 後ろからは、もう一体のシャドウが俺を斬ろうとしていた。

 ガキィィィ!

 なのはの持つ盾が、攻撃を防いでくれた。
 
 「サンキュ、なのは! じゃあ、行くぜ、ノーデンス、ブフーラ!」

 ブフも全体攻撃を2体にお見舞いし、凍りついたシャドウは砕け散り消えていった。

 「先をいそご……?」
 「何か、聞こえるの?」

 道は二手に分かれていて、俺達はまっすぐに進もうとしたが、前方からは大量の先ほどのシャドウが駆けつけていた。
 恐らくは、先ほどの鳴り響いた音が呼び寄せたのだろう。
 仕方がなく、なのはと共にもう1つの道である、右方向に向かうことにした。



















 「どうだ、行ったか?」
 「うん……もういないみたいなの」


 「ふう、一時はどうなることかと思ったぜ」
 「ほんとう、あんな数のシャドウはもう見たくないよ……足だってパンパンになっちゃったし」
 「こっちの疲れってなんか向こうにも残るんだよな。傷とかは痛みだけが残るみたいだし。大丈夫なのか、なのは?」
 「大丈夫だよ。ほら、ちゃんと傷薬とか持ってるの!」
 「準備がいいこった……!」

 俺が壁にもたれようとした瞬間。
 反転。
 俺は1人、隠し扉の中に吸い込まれた。

 「渚沙君!?」
 「……っぅ……大丈夫だ、なのは」

 あたりを見渡すと、そこは道場だった。
 そして――。

 「上原……!」
 「…………」

 悲しそうな顔で。
 泣き出しそうな表情で。
 上原喜助はそこにいた。

 「上原!」
 「夢見殿……どうして、拙者はこんなにも追い詰められねばならぬのでござるか……」
 「……お前に、伝言がある」
 「そんなもの、聞きたくないでござるよ!! もう苦しむのは散々でござるよ……!」
 「おい、上原!」

 禍々しい黒と赤の炎が迸り、上原を包み込む。

 「シャタクッ!」

 それは、純白の翼を生やした歪な鳥。
 口元を隠すマスクや、着ているものは忍びのものだった。

 「やるしかねえのか……! 来い、ノーデンス!」

 なのはが来ていない今、一騎打ちである。
 ノーデンスが槍で一閃突きをするも、滑空するシャタクはそれを避ける。
 光が迸る。

 「くっ……」
 
 それと同時に、俺の周りに見知らぬ言葉で書かれた紙が纏わりつく。
 それを、紙一重で回避する。
 あれは危険なものだと、本能が直感を下した。

 「渚沙君!」
 「くそ……」

 シャタクは翼を飛ばし、攻撃をしてくる。 
 すでに出していたハスターとノーデンスは、何十枚か翼が刺さった。

 「ぐぁ……」
 「い、いたい……」

 「全部、壊してしまえば、もう悲しむことなんて、なくなるでござる!」

 ――だから!



 「だからって、あの子を見捨てるのか!」
 「!」
 「お前のことを大切に思ってくれているあの子を、お前は傷つけるのかよ!」
 「ああああああああ…………あああああ!!!!!」
 「あの子は『喜助と一緒に居たい』って言ってくれたんだ、それに答えてやれよ!!!」
 
 「そんな、一番最高の結末なんて、拙者にはないのでござるよぉ……!」

 上原は……いや、喜助は涙を流していた。
 喜助は、いつも1人で戦っていたんだ。
 俺には、その役目は務まらなかったけど……。
 だけどあの子なら。
 きっと。

 攻撃が一瞬止んだ。
 今がチャンスだが、ダメージが多すぎる……!

















 『渚沙の本当の力を見せてあげて。ペルソナは絆の力。結んだ絆の分だけ強くなれる』
 『お客様のワイルドの能力……その真骨頂を、どうぞご堪能あれ……』











 「!」

 能力『ワイルド』。
 それは無限の可能性。
 それは0であり無限である。
 何にも属さないが、全てになることができ、
 そして、切り札となる力。

 ノーデンスを石に戻す。

 結んだ絆を。
 蒼の炎の中に、愚者とは異なったカード。
 それは皇帝のカード。
 恭也さんと結んだ絆。

 「ペルソナ……オベロンッ!」

 蝶の羽を生やした御伽噺にでも出てきそうな王子のペルソナ。
 その力を解放する。

 「メディア!」

 優しい光が俺となのはを包み込む。
 傷が癒えていくのを感じる。
 これなら、いける。

 「いくぞ、なのは!」
 「わかったの!」




 「オベロン、ジオ!」
 「ハスター、ガル!」

 雷と風が、シャタクを包み込み、そして。












 「某、迷惑をかけてしまったでござるな……」
 「上原……いや、喜助、あいつ、待ってるぜ」
 「そうでござるな……ありがとう、渚沙殿!」
 「お、また増えてる……ほら、喜助」
 「ん? なんでござるか、これは」
 「俺達が使ってる力は、それがないと使えないんだ。喜助が俺達と一緒に戦ってくれるんなら嬉しいが、無理にとは言わない。ま、落ち着いたら考えてくれ。とりあえず、ペルソナッ! って言ってカードが出てくるから、砕いたら召喚できるぜ」
 「ふむ……ペルソナでござるッ!」

 さっきの『シャタク』とは違い、この『シャタク』は鋭い眼光、立派な毛並み、鷲の姿をしていた。だが、純白の翼だけは同じだ。

 「きれいだな、その翼」 
 「ありがとうでござるよ、渚沙殿」
 「さ、はやく帰って美紀ちゃんを安心させてあげよう!」
 「そうだな、じゃ帰るぞ!」
 「わ、わかったでござる!」

















 現実の世界に帰ってきて、下山は大いに泣いた。
 心配した、とか、もうどこにもいかないで、とか。

 喜助の母親には感謝され、爺さんには頭をなでられた。婆さんはというと……。
 
 「失礼なことを言って悪かったわね……感謝するわ、渚沙ちゃん、なのはちゃん」

 感謝されるのは嬉しい《不要だ》が、ちゃん付けはやめてほしいです……。


 ここからは家族のことなので、俺達は帰ることにした。
 けど、明日。結果を聞かせてもらう。
 喜助はもう……答えは出たって言ってたしな。







 ……。

 学校、どうしよう?



























 現在のステータス 魅力:3 頭脳:2 寛容さ:3.5 変態度:3 勇気:2→2.5

 喜助とこの婆さん相手に怯まずものを言い切った→勇気0.5UP
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